サポート詐欺について_情報セキュリティマネジメント内海信一　

被害にあわないようにするために

今回は、最近また被害が増えてきつつある「サポート詐欺」についてお話をしたいと思います。

実際今年に入って、高齢男性がサポート詐欺にあって、電子マネーカード６０万円分という高額をだまし取られたという被害事例も発生しています。このような被害にあわないようにしていただきたいという事で、今回ご紹介させて頂きたいと思います。

まず、「サポート詐欺」とは何なのか？という事ですが、文字通りパソコン関係のサポートサービスを装った詐欺犯罪の事です。具体的にどのようになるのかと言うと、WEBサイトを見ていると、突然画面に、「ウィルスに感染した」とか「個人情報が漏えいしています」といったすごく目立つ偽の警告メッセージが表示されます。場合によっては警告音も発生する場合もあります。突然このような状態になった場合、多くの方が不安に感じで、「何とかしないと」という気持ちになると思います。犯罪者はまさにその心理をついてくる訳です。さらに、その警告メッセージには、この状況を解決するために、サポートサービスへ連絡してくださいという文面が書かれていて、電話番号等も記載されています。もちろん、その電話番号は本物のサポート窓口の電話番号ではなく、詐欺グループにつながる電話番号なのです。

このような状況になった際には、絶対に表示されている電話番号に電話しないで下さい。状況が状況だけに、このサポートサービスが、この状況を救ってくれる救世主のように感じてしまうかもしれませんが、電話をしてしまうと言葉巧みに誘導され、個人情報を盗まれたり、金銭の被害につながったりする可能性が高くなります。

では、このような警告メッセージが表示された場合、どのようにすればいいかという事ですが、まず落ち着いてすぐにパソコンの電源を切る事です。その後、必要に応じて、家族や知人また正式なサポート窓口や家電量販店へ相談をして下さい。警告メッセージには、マイクロソフトとかWindowsといった文字が表示されていて、いかにも本物っぽい感じになっていますが、本物ではありませんので、騙されないようにしてください。

このサポート詐欺だけではないのですが、詐欺に共通する事は、「今すぐ対処しないと大変な事になる」という事を何回も伝えてくるという事です。時間をおくと詐欺とばれてしまう可能性があるため、詐欺グループはとにかく「今すぐに」という言葉を使って焦らせておいて、金銭や個人情報をだまし取るという手口を使ってくる事が多いです。

一人でパソコン操作をおこなっている時に、このような警告メッセージが突然表示されたら、焦って冷静な判断が出来なくなり、とにかくすぐに対処しないと被害が拡大して大変な事になってしまうという事で、騙されてしま方が多いと思いますので、まずはパソコンの電源を切ってから、落ち着いて考えるという事を頭に入れておいて頂ければと思います。

このような被害にあってしまう方が少しでも減る事を願っています。

かがわ経済レポート2023年7月号
情報セキュリティマネジメント 内海信一