ポケベルが再び脚光を浴びている!?

こんにちは、ビットコミュニケーションズの内海です。

今日は、ポケベルが再び脚光を浴びているという話題についてお話したいと思います。
若い人たちに聞くと、なんか昔あったよねって感じかもしれませんが・・。
1968年から日本でサービスが開始され、営業マンなどビジネスマンが中心に使ってきたんですが、1990年代に女子高生を中心に人気が爆発して社会現象にもなりました。

当時は、数字しか入力できなかったため、数字で言葉の代わりをする暗号のようなメッセージのやり取りが行われてきました。
例えば「0906」は「遅れる」とか「3341」だと「さみしい」とかいった感じです。

ただ、1998年ごろからPHSや携帯電話が普及し始めると、ポケベルは衰退の一途をたどり、2007年にはドコモが事業撤退し、今現在は「東京テレメッセージ」さんのみがサービスを行っているという状況です。

そのポケベルが今、なぜ脚光を浴びているのでしょうか?
それは、災害時の緊急通信手段となるからです。
災害時にポケベルは最後まで残る通信手段になることができるんです。東日本大震災のような、大規模災害時は携帯電話を使ってみんなが同時に電話やメールを行う事で、電波が通じなくなったり、大幅に遅れて届いてしまったりという事が起こってしまいます。

更に、携帯電話の基地局(アンテナ)はあちこちにあるため、大規模な地震などが発生すると、メンテナンス等が非常に難しくなったりするんです。
ところが、ポケベルというのは、電波が非常に遠くまで届くため、基地局の数が極めて少なくて済むんです。例えば東京23区であえば、2つの基地局でカバーできてしまうとの事なんです!!しかもそのうちの1つは東京電力本社ビルの屋上に設置されているという事で何か災害が起こっても極めて停電しにくい環境にあるという事だそうです。
またポケベルの電波は、非常に波長が短いので、建物の中など通常携帯電話の電波が届きにくい場所でも電波が届くという特徴もあります。

電波を発する基地局が少なくてよく、また電波自体も遠くまで、また建物の中までよく届くという事で、災害時に適しているという事で注目を集めているという事なんです。
実際最近は、屋外にあり、災害時に家の中で聞こえにくい防災行政無線よりも避難情報など緊急情報を家の中に伝える手段として、ポケベルを検討している自治体も多いようです。
災害時に使用する場合でも、昔のポケベル受信機は変わらず使用できるようですが、唯一異なるのは、メッセージを音声にして読み上げる機能がついているという事です。
また一度に送れる文字数も以前は14文字と短かったのが、今は最大304文字まで送れるようになったそうです。
携帯電話を持っていないという高齢者の方も多くいるという事も背景にあるようです。

例えば、岡山県高梁市(たかはし)では、2017年度からポケベルの戸別受信機の貸与を進めているそうです。7月の西日本豪雨の際も非難に役立ったとの声も届いているそうです。

また、京都市では2019年3月から防災無線としてポケベルが活用されているそうです。
京都市は面積が広く、山深いエリアという事で、通常の行政防災無線を導入しようとすると、50億円以上の費用がかかるそうで、これをポケベルにすると、10億円もかからず整備できるという事で採用されたようです。

つまり、予算的にも非常にメリットがあるという事なんです。

一昔前の技術でも使い方を変える事で、非常に便利な道具に早変わりしてしまうという典型的な例だと思います。

特に最近は大規模な災害が多発している状況ですので、このような技術で少しでも犠牲にあう方が減るという事は非常に素晴らしい取り組みだと思いますし、是非今後全国に広がって行ってほしいと思いますね!!