~誰かに画面を見られているかも~
今回は、「ショルダーハッキング」についてお話してみたいと思います。
ショルダーハッキングとは、パソコンやスマホを操作している人の背後や横から覗き見て、情報などを盗む行為の事を言います。自分の隣や後ろにいる人が、自分のスマホ画面などを見て内容を盗み取っていると思うと気持ち悪くなりますが、現在も被害が後を絶たない状況です。
「肩越しにスマホやパソコンを見て情報を盗む」という事から、この名前で呼ばれています。よくある手口として、「人が多い場所で盗み見る」という事があります。カフェや通勤電車などは多くの人が出入りするため、悪意の持った人物としては、対象者の操作する画面が見える位置に自然と回り込み、ショルダーハッキングを行いやすい環境といえると思います。ショルダーハッキングを仕掛けようとしている人物は、このような人の多い環境を利用するケースが多いです。
また満員電車のような、人と人とが接触している場所でスマホなどを扱っていると、周囲の人としては画面がつい目に入ってしまいやすいでしょう。本人にその気がなくても偶然ショルダーハッキングを行ってしまう可能性もあります。人が多い場所は、意図的であってもなくてもショルダーハッキングが起こりやすい環境といえます。
では、対策方法としてどのような事が考えられるかという事ですが、まず「人が多い場所ではできるだけ重要な情報を扱わない」という事です。人が多い場所では、パソコンやスマホ、紙媒体含め重要な情報を見たり、機密情報を扱う作業は行わないようにするのがベターです。もし、どうしても人が多い場所で機密情報等を扱わなければならない場合は、例えばカフェならば背後や横に壁のある席に座り、周囲の人からパソコンの画面や書面が見えないようにするなどの対策を行うようにしたいですね。
あと、「覗き見防止用のシートを画面に貼る」という事です。パソコンやスマホの画面の覗き見を防止するシートが市販されています。このようなシートを使えば、周りの人から画面を見られるリスクを下げることができると思います。使用している機種によっては、画面覗き見防止の機能が備わっていることもあります。
このような手口を聞いて「ずいぶん原始的な方法だ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、ショルダーハッキングは今も行われています。
「自分は大丈夫だ」、「さすがにパソコンやスマホの画面を盗み見られるような真似はしないだろう」と思っていても、いつどこで誰が見ているか分かりません。場合によっては同じ会社の同僚がショルダーハッキングを仕掛け、情報を悪用する可能性もゼロではないのです。
情報通信技術を活用したセキュリティ対策だけでなく、その技術を扱う端末自体や情報通信技術だけでは保護するのが難しい紙媒体のセキュリティ対策も油断せず確実に行っていく事が重要だと思います。